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吉川洋

· 東京大学名誉教授

Full speech

○参考人(吉川洋君) どうもありがとうございました。  介護については、個人的なことになりますが、私も母親が、十年くらい前ですかね、亡くなる前、数年、大変介護施設でお世話になって、非常に個人的な一つの事例にすぎないですが、大変な分野だなというのは、そういう感覚は持っているんですが。  その上で、やはり、どういうんですかね、介護というのは、もう先生御存じのとおり、いわゆるロボットのようなものだけで全てうまくいくわけじゃなくて、どうしても人の力というのがいろんな意味で必要になると。ただ、人だけでも困るので、たった今どういう状況にあるのか、私、実は正確に知りませんが、例えば、介護される高齢者が、高齢者をお風呂に入れるという場合、人がアシストするといっても、助ける介護人の方が例えば腰を痛めてしまうとか、そういう問題があるとか、いろいろよく御存じの問題があると思うんですよ。  それで、じゃ、どうするということなんですが、人も必要、分かりやすく機械と、マシンと呼ぶならばマシンも必要。人の方は変わらないですが、まあ取りあえず、マシンの方はどんどん進化するわけですよね。それはもちろん現場のいろんなニーズに応える形で技術が進歩しているだろうと思うんです。そこで、私がいつも思ってきたのは、今の段階で、理想の介護というのは、まあ理想というのはちょっと括弧付きかもしれませんが、どういうものなのかというモデルを可視化できないものかというのは、もうどうでしょう、三十年くらい前から役所の方々と話すときに雑談ベースで話してきたんです。  非常に飛んだ例になっちゃうかもしれませんが、明治時代にいろんな新しい技術入れてくるときに、博覧会というのは非常に大きな役割を果たしたと言われているんですよね。やはり人間、目で見る、ああ、こういうことなんだと、いわゆるベストプラクティスというのはこういうものなんだというのを目にするというのは非常に重要なことだと私は思うんですが。  それで、介護の分野でも、今ベストプラクティスというものは、こういうことが少なくとも技術的には可能になってきているということを可視化して、それを、情報を日本津々浦々で共有して、全ての介護事業者が直ちにそのベストプラクティスに飛ぶわけにはいかないんだろうと思いますが、そういう中でできるだけベストプラクティスに近づける。また、それももちろん百点満点ではあり得ないので、それを更に進化させていく。その過程で、繰り返しお話ししているように、介護のいわゆる点数や何かは公定価格なわけですから、どういう公定価格の設定がいいのか、進化を促すのか、そういうようなことをまずは考えていただく必要があるんじゃないかなと。  いずれにしても、初めから百点満点のところに行くということは不可能なわけで、要は、進化して変わっていくようなプロセスを何かうまくビルトインできないか、そのためにはまずはベストプラクティスを、現在の、可視化することじゃないかなと三十年ぐらい思ってきたということです。  どうもありがとうございます。

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