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高橋富一

· 岩手県商工会連合会会長/八幡平市商工会会長

Full speech

○高橋富一君 本日は、このような機会を頂戴しまして、本当にありがとうございます。私から意見を述べさせていただきたいと思います。  我が国経済は緩やかな回復基調にあるものの、中小企業、小規模事業者を取り巻く経営環境は依然として厳しい、そして不確実性が続いております。国内では、物価や金利の上昇が進行する一方で、人口減少と労働力不足により労働供給制約が常態化する社会構造へと移行しております。  とりわけ岩手県においては、少子高齢化に加え、若年層の都市部流出が続いており、人口減少が一層加速しています。その結果、地域内需要は縮小し、地域経済の基盤そのものが弱体化しているとの強い危機感を抱いております。  特にも、人口減少が顕著な地域では、生活に不可欠な生活物資や、除雪、介護等の役務を提供するエッセンシャルサービスの人手不足がより一方進んでおりまして、潜在化しております。これが生活環境の悪化や雇用の流出につながり、工場等の機能不全や企業立地の制約となりつつあります。  加えて、国際情勢も近年にない緊張状態にあり、先行き不透明感が増しております。  中小企業、小規模事業者は、原材料や労務費の上昇分を十分に価格転嫁できない状況の中で、最低賃金の大幅な引上げによる賃上げ圧力を受けており、人材確保が困難な環境下において、防衛的な賃上げを余儀なくされているのが実情であります。また、賃上げに伴う社会保険料の事業主負担増も、経営を圧迫する大きな要因となっております。さらには、経営者の高齢化が進む中で、後継者不足といった事業承継の課題も深刻化しており、経営課題は複合的に山積をしております。  地域に人がいなくなれば、地域経済の持続的な発展は望めません。  現在、中小企業庁では百億円企業宣言に取り組んでいますけれども、中小企業実態調査によれば、売上高一億円の企業が全体の六割を占めている。一方、売上高一億円を超える企業では、正規雇用者の割合や雇用者が大きく増加する傾向が見られます。つまり、売上高一億円超えを目指す企業を育成することが、良質の雇用が創出され、人材の地域定着が進み、地域経済の基盤強化につながるものと考えます。特に、中山間地域については、売上高一億円超企業の創出が地域経済全体の底上げに直結すると考えます。  岩手県においても、今後、売上高一億円を目指す企業の育成を通じて、地方発の経済の好循環を生み出していきたいと考えています。そのためには、生産性向上や省力化に取り組み、稼ぐ力、これを高め、中小企業、小規模事業者への支援を一層強化することが重要です。同時に、事業者に寄り添った伴走型支援を行う支援体制の強化も不可欠であります。  また、起業、創業促進も地域経済活性化の重要な要素です。地方で起業、創業する事業者に対し、開業支援補助金の拡充に加え、税制、金融面での優遇措置を講じるなど、都市部と地方部での支援の厚みを設けることを検討することも、考えもございます。  商工会では、伴走支援を基本として、経営指導、創業支援、事業計画策定支援など、多様な支援を実施してございます。  本県商工会では、東日本大震災直後の先行きの全く見えない状況下から地域経済を牽引する企業を創出しようと、小規模基本法に先んじ、経営革新計画を柱とする計画経営の普及推進に取り組んできており、経営革新計画認定件数では、直近の令和元年からの六年間で、認定支援機関のうち、県内では八二%、東北管内においても三二%を占める。支援により自走された起業の中には、フォーブスジャパンのネクスト百に選ばれるまでの企業に成長した企業もございます。  以上を踏まえ、現在国会で審議されている令和八年度当初予算は、中小企業、小規模事業者施策にとって極めて重要な意味を持ちます。  小規模事業者の経営発達を支援するため、伴走型小規模事業者支援推進事業は、全国千五百八十九の商工会のうち八割が活用しております不可欠な予算でもございます。また、日本政策金融公庫と連携をし、商工会の経営支援を全面から支援する経営改革資金融資制度、いわゆるマル経に係る予算も欠かせません。これらの予算については必ず年度内に成立させていただきたいと強くお願いを申し上げます。  昨年末にはガソリン税の減税措置が講じられましたが、国内情勢の悪化により原油価格が再び上昇する兆しが見られ、減税効果が薄れる懸念もございます。これは、中小企業、小規模事業者の経営に直結する問題でもあり、支援を継続そして強化するためにも、当初予算の早期成立を強く要望いたします。  政府の本予算における中小企業対策費は、これまで約一千億円規模で推移しており、多くの施策が補正予算によって依存してきました。総理が掲げる、必要な予算は当初予算で措置し補正予算前提の予算編成を見直す方針には大いに期待をしております。是非、実行に移していただきたいと考えます。  現在、商工会では、中小企業、小規模事業者の経営支援に積極的に取り組んでいますが、支援を担う職員不足が大きな課題です。補正予算、施策されている事業環境変化対応型支援事業を当初予算に組み込み、安定的な相談員配置を可能とする形での拡充を強く要望いたします。  加えて、近年は、全国各地で大規模災害が勃発していることから、被災地域に迅速に職員を派遣し、事業者支援に当たる制度として、特別経営指導員の新設を強くお願いを申し上げます。  また、昨年十一月に閣議決定された強い経済をつくる総合経済対策の第一の柱、生活の安全保障、物価高への対応で示される、安心で、更なる地域社会の基盤整備については、エッセンシャルサービスの観点から、これに向けた提供企業等が多くの主体の参加促進をできるように、及び、商工団体を含む支援体制の構築等の対策を早急に図られるよう、お願いを申し上げたいと思います。  以上、御出席の先生方におかれましては、本趣旨を御理解をいただき、実現に向けて特段の御尽力を賜れば幸いに思います。  どうぞよろしくお願い申し上げます。

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